ナマ〜シヴァ〜ナマ〜シヴァ〜

生シヴァ

 さて、オチのない序章を後に回し、午後から話を始めさせてもらうと、せっかくの祝日、と、近くのテムプル、シヴァ・テムプルまで行ってこようじゃないの、と言うことになった。ホテルからチョイはなれたところでリクシャーを拾っていざ行かん!
 リクシャーから降りた其処は、おそらくは子供向けのおもちゃを売っているデカい建物(大きなワンちゃんの看板が印象的だ!)の隣にあり、早速も「オイオイ、之大丈夫か之…?」と先が思いやられる。階段をくだり細い廊下を進むと、その先は…はいっ?何だ之? 荘厳なヒンディーのテムプルが僕らを待っているのかと思いきやその先は何てことだ、屋台が並ぶ、商店街…? え"ぇぇ? しかもキリスト教グッズまで売ってる。ワケがわかんねぇ…。
 小商店街をぬけるとやっとこさ、しょぼいゲートがあって、目的地って感じにもなる。どうやらこの先素足じゃないと駄目らしく、1Rs払ってで靴を預ける必要があるとの事。ちっ、焦らしやがって。正面上方には大きな象の顔をした、象牙色の大仏みたいなものがあり、階段を登って近くで拝むことができる。よく判らん。この象はえらくありがたいのか、インド人が之をバックにカメラで写真を撮りまくっている。ひょっとして、何、ここって観光地なのか?
 続いて奥へ進むと右手にはまた象牙色のさっきのよりデカい大仏。この辺から「ナマ〜シヴァ〜ナマ〜シヴァ〜…」の良くわかんねぇリピートし続けるBGMが流れ始める。
 10Rsの徴収されて大仏の左手の穴に潜る。何が待ってるのだろうと、もうあまりワクワクしないで進むと、暗い穴の中右手にガラス張りのオブジェがある。草に生首の模型、その首のありそうなところにカチャカチャ安っぽく三叉の槍が左右に移動している。ガラスの奥になにやら英文が書かれているが面倒だから読まない。後ろも詰まってるし。続いては同じくカチャカチャ上下に動く小さな神様の像。もういい、行こう、先へ行こう。大きな人形が正面に僕らを待ち、カチャカチャ腕をわずかに上下させ、たまに目をつぶる。段々キツくなってきた。右手のガラスが珍しくも開いてて鉄床(カナトコ)のようなオブジェにちょうど金が入りそうな具合で細い穴がある。先輩が1Rs放り込んでみた。………何もおこらねぇしっ! 先に進むと茶色い卵のようなものが、基本的に閉じているのだが、たまに開いたりしている。インド人らも興味深いらしく止まってたまに開くそのタイミングを見逃さんとしている。どれどれ……おっ、開いたぞって、何もねぇっ! そうこうしているうちに出口も見え、湿った床が素足にキモちわるく。何だったんだあのエンターテイメントは…と大仏の左隣の穴から出た。
 BGMで延々とかかり続ける「ナマ〜シヴァ〜ナマ〜シヴァ〜…」の歌詞が頭を離れない。
 
 いい加減、2ヶ月放置してた髪の、酷い伸びっぷりに、オレは勇気を出してインドの美容院だか床屋だか微妙なところに入ってみた。当然英語で注文しなくちゃならないのに衝動的な行動ゆえ何も用意がない。すくってなんていうんだ? 適当に受け流しながら(でいいのか?)適当な注文で適当に切ってもらい、ついでに髪も適当に染めてもらった。我ながら適当だ。
 で、えらい時間、先輩方を待たせた挙句、下の階でくつろぐ彼らの前に姿を現す…ってなところでもう遅いので詳細は後日伝えるとするが、一言。インドで髪を切ろうと思っている貴方、……え?居ないって? まあいいから、
「止めとけ」
 以上。

 先輩の寝坊宣言を受け、午前中を有意義に過ごすべく、別の先輩とホテル周辺を散歩に行く。先日に一人でフラフラ行ってきた先を目指して…。チョイ前にも書いたと思うが今日はディワリ、今日 も ディワリ祭である。その位置づけについてはよく判らないが、とにかくお祭りなんだろう。先日引き返したその場所は、中途半端に舗装された細い道で、そのわりに車や人が行き来している、そんな道だった。ともなると自然に、この先に集落があると予測はつくと言うも。そう、つまりはご想像の通り、私の望みはこのディワリにネイティブの暮らす町/村の風景を一目拝むことだ。ふむ、なんとも冒険心掻き立てられる。
 さて、私の予想は的中し、しばらく道を進み坂を下ると段々建物が見え始め、牛がいて、建物が増えてきた。日本人的な感覚から見たら変な寺院っぽい建造物があり、之は学校かな? しかし何時までたってもお祭りっぽいオブジェは見えてこない。むぅ…こりずにずんずん進むが。駄目、サッパリである。コイツ等、やる気ねぇな…。