そんなワケで爆竹以外祭りっぽくなかった祭りである

風景と同化して目立たなくしているだけ

 二連休。もし土日が休みだったなら、4連休となっていたこの日、はディワリ祭も本番の本番を迎え、町には砂でかかれた絵、家の前には小さな蝋燭が飾られる、らしい(どちらもジャップからの情報)。らしいが、あんまりの皆さん、動く気がないようなので独りフラフラまた散歩としゃれ込む。町へ、地図には一応乗っているが、大通りから一本はずれた、しかし目的地へは近道となる道を行く。距離的にはね…。
 諸事情により既にスタート地点がホテルではなかったがそこから裏道を通り、更に裏道を抜け、地図によればこの辺に車の通れるレベルの…うっお、すんげぇ泥道だ! スーパーマリヲ気分で所々見えている石を飛び跳ね渡り、その先は、ヌッホぅ、また泥道+水溜りだ。しかし、今回は回避方法が判らない。言うならばマントも尻尾もなしに溶岩を目前にたたずむマリヲ。…あ、別にルイージでもいいぞ。そのまま渡るを躊躇していると、後ろから数名のガキが自転車にまたがり楽しそうに 水溜りを渡ってゆく。そのうちのケツの一人が俺の右手に持つデヂカメに気づき、オレを撮ってくれと言ってきた(んだと思う)。お安い御用と、写真を撮るはいいが、見せに行きたくてもこの溶岩。しゃあねぇ、ちぃっとぬかるんでるが、はぁ、一寸汚れそうだけどいきm…うぁごああああああああああああっ! ズボっと、右足がズボっと泥の中に! 『糞がっ!』と叫びたかったが、あえて、「Shit, Oh, shit!!」と英語で、彼にも判るように叫んであげたあたり、我ながらジェントルマンだったと思う。
 さて、後は特別面白いもの・こともなく、テクテク歩き、目的地に到着。あ、線路の中歩いたりはしたぞ。途中家はたくさんあったが蝋燭も砂の絵にも出合わない。時々どこか近くで爆竹が弾けている以外はいたって普通だ。しかし目的地にたどり着いたところで祭りらしきものは爆竹音のみ。あうふ…。
 リクシャータクシーでは何度も通り抜けたことのあるこの場所、実際に歩いてみてみると、お洋服屋さんが何件もある。たまに洋じゃないのもある。本当だったら独りをいいことに店内部に侵入して、思う存分時間をかけてショッピングと行きたいが、畜生、この泥だらけの右足が、「あ、アンタのおかげで全てぶち壊しだ」状態。小さなおもちゃ屋だかタバコ屋だか微妙な店に入ってトランプを買い、また、スーパーにて頼まれてたジュースを買い、リクシャーで、ハイさようならだ。アリーベテルチ、って言うんだっけ?
 こうして購入したトランプだが、別にオレがトランプを持ってきていないなどという失態を犯しているってワケじゃぁない。インドのトランプにおけるジョーカーの柄がどんなものかが気になったという、衝動的なものだ。之は「ソフィーの世界」の著者として知られる、ヨースタイン・ゴルデル氏のデビュー作「カードミステリー」に登場する父親の趣味に由来する。 その父親は、何にも属さないジョーカーは他の者には見えない真実を見抜く、自分は哲学者でいわばジョーカーのようなものだ、などといいながら世界各地でトランプを買ってはジョーカーだけを抜き取っていた。 非常に印象的で、オレもいつかどこか旅をしたら、トランプでも買ってみようかと、そう思っていたのを、思い出した、と言うことである。
 ちなみにその柄であるが、自転車に乗っているキングの柄であった。全体的に印刷状態が悪く、解像度も低い(ドットが肉眼で見える)、また多分再生紙、と中々トランプとしては質は悪い。とりあえずソリティアでもやってみましょうか? ソリティアについて、所詮は運だけの暇つぶし、何が面白いんだ? と貴方は考えるかもしれない。この際だからソリティアについても語って…面倒だからやめておこう。とにかく気がつけば計7回もソリティアをやっていたと、そういうことである。何時までたってもクリアできない、悔しくてまたやると言うのは正に博打の心理。こうして借金を重ねてゆくのだろうと、ハッと気づいた夜であった。ちなみに雨が降り始めたおかげで、夜の街を偵察にも行けない。