ホテル周辺をフラフラと散歩中

兄弟

 「ム…? 行き止まり?」 ホテル周辺をフラフラと散歩中、会社の横の道を歩いていると、目の前で道が途切れた。
 おかしいな、というのはさっき二人、五人と、こっちのほうから歩いてきた人とすれ違っていたからだ。「引き返すか? いや…」 ちょうどそのとき後ろから二人組みのインド人がこっちに歩いてきのだ。独り、考えるポーズをしながら考える振りをしながら見ていると、彼らは行き止まりを当たり前のように、左へ折れた。おおっ、よく見りゃ確かに、針金でできた柵(っていうのか)が、人 一人が歩けるほどの隙間で壊されている。彼らについていくようにこの道を進むと、更に一箇所壊れた石の柵を越える。先には見たことのないデコボコの土の広場、何だここは? しかしデコボコながらも踏み固められてできた「道」があることからも頻繁にここが通行されていることを物語っている。その「道」沿いに歩いてゆくと(写真を撮りながら進んでいたためもう彼らはいなくなっていた)、コンクリートで舗装された一本の道に出る。ほえ〜、隠し通路だ。
 舗装された道沿いに歩くと三人の兄弟、と思う子供が、工事現場から引かれているホースから流れる水を掛け合って遊んでいる。ちょうどこっちに走ってきていたので、一枚、写真を撮り、其れを見せてやると興味心身。独りずつ写真を撮って見せてやるとえらく喜んでくれた。
 さて、先へと進むと車の音が聞こえてくる。その先は…、おっ。 大通り沿いにある、ホテルから一番近い、商店街だ。其れもど真ん中。成る程、こんな抜け道があったとは…。距離的にはたいして変わらないのだろうが一寸道は面白いし、車がいないから歩きやすいしで、気持ち近道感はある(でも緩やかな斜めに進む形になるので一応距離的にも近道)。
 青い空と牛を眺めながら、ちょっとした満足感に浸りつつ、我はホテルへと帰ったのである。

 もう深くは書かん。オレは気づいた。絶対このゲーム、「操り人形」を"オレが"やってると友達をなくすと…。もしくは酒無しでやるのが危険なのかもしれない。