たまにはと観光らしい観光をと、公園へと歩く我等

こーえん

 埃と排気ガスとで煙たいインドの空気も、今日は雨上がりだからか気持ちすっきりとしている気がする。それとも、単に環境に適応したということなのだろうか…?
 たまにはと観光らしい観光をと、結局MGロードへ行ったのは変わらずとも、ショッピングもそこそこに、公園へと歩く我等。普段ふらついているのとは道を挟んで逆にある、ちょいとした緑道を歩いてゆくと、右手にクリケットスタジアム、ガンジー像と来てさあ、いよいよ到着だ。
 早速も左手には水族館が見え、とりあえず入ってみますかと言うことになった。入場料は5[Rs]ブゴッ! 安っす…。チケットは、チケットと言えるのだろうか、ただのレシートのようなものが渡され、其れを軽く破って渡される。日本のように一寸厚くなった綺麗な 入場券 なんてものじゃないし、ハンコだとかそういうものも無い…。軽くカルチャーショック。 建物は三階建て半径15[m]程だろうか、の円形状。スロープをあがり二階から入場、ぐる〜っと一周した後に中央の螺旋階段を使って三階へ。三階の見学を終えると二階へもどって、はい、お終いだ(一階は無い)、早! 見学時間10分ぐらい。実に、日本のデカいペットショップと張り合えるかもしらん規模である!
 さて、気を取り直して公園を道沿いに奥へと進む。地球の歩き方(インド編)によるならばこの辺 ―ただしこの辺のこの辺はこの公園内と言ういい加減なレンジだ― に博物館があったような気がする。と左手に赤い、其れっぽい建物が出現。正面へまわるとチケット売り場。間違いない! あれ、チケット売り場、人いないんですけど…?
 チケットは4[Rs]と先ほどの水族館よりさらにお安い値段で、相変わらずレシートのようなのに切れ目を入れた、やる気の無いものが渡される。入ると水族館とは打って変わって、想像以上にまともそうな感じ。入ってすぐに右手に昔の剣なんざ置いてあったりして、まったく冒険心を引き立ててくれる。昔っしのツボの破片、象の小さな粘土像、石造りの神の像、などなどを観て、さて終わりかと思いきや、別館まで用意されていたりする。
 道端をチョコマカうろつく可愛らしいリスを眺めながら歩き、さて、別館は芸術品を取り扱っているようだ。思えばこのインドにおいて、芸術品らしい芸術品はあまり見かけていない。ちょくちょく見かけるけばけばしい、象の姿をしたの神のイラストは、一寸、ううん…。適当な店を覗いても壁に一枚二枚、素敵な絵でも飾ってあるのではと期待するのだが、之があまり、いや全然無いのである。まあいい、さぁ、では拝見といこうか!
「う、うん、微妙だ」
確かにうまい絵もある。でも、ううん…。二階まであるけど、作品自体もあまり多く無く、オレのセンスに「之は!」と語りかける、インパクトの強い作品にも出会えない。全体のレベル自体も日本より低いものを感じるのだが、インドでは芸術、特に油やアクリルと言った絵に対する文化は発展が甘いのだろうか…? 宗教色の強い作品は案外割合として少なく60%かその程度で、一応、私の恐れていた其処に囚われすぎている、ということはあまり無さそうだ。まあ、とにかく、うん、そんな感じである。
 てなところで今日は引き上げるが、本当だったらもうチョイ公園内をブラつきたいなどと、やはり、観光は観光で面白いのであった。あぁ、あの遠くに見える赤い建物は何!?