ストップモーション

私はストップモーションフィルムが好きである。コマ撮りとも呼ばれる静止画をつなげて動画にしていくレトロともいえる技術で、映画としては「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」が有名だ。(あのやたら細長い骸骨のキャラクタのヤツね) さて、好きが転じると自分でやりたくなるというのが私という人間であり、それじゃ、一寸シンプルなストップモーションアニメでも作ってみようかと、数ヶ月前にイロイロ試行錯誤したのだった。
数ヶ月前に…、そう、過去形となってしまったのは、なんといっても被写体の問題が大きかったからだ。
静止画をつなげて動画にする以上、静止画と静止画の間が短ければ短いほど動きは滑らかになる。腕を上げるだけのシンプルな動作を考えると、腕が下がっている画像、腕が上がり始める画像が数枚、そして最後に腕が上がりきった画像となるのだが…、問題はこういった細やかな動きを実現させるための被写体を作り出すのが非常に難しいということだ。もちろん既製品のフィギュアを使う…って手はあるのかもしれない。有名どころでは レゴ を使ったストップモーションなんてのもある。ただ、人様の作ったキャラクターを模して人様が作ったフィギュアを動かして…ってのは、なんとも、その、クリエイター精神に反するというか、とにかく、やる気が出ない。人様の作ったキャラクターを模して「オレが」作るのなら話は別だが。
ストップモーション用のフィギュアの作り方については「映像+ vol.1」という雑誌のに詳しく載っている。某有名なストップモーションフィルム「コープスブライド」のフィギュアについてはその顔の中にメカが仕組まれており一つに顔パーツで複数の表情を表現できるという画期的なもの、と、まあコレは真似ようがないが…、この映画では可動部は基本的にボールジョイントを使用していた。おなじみのクレイアニメについては、まあ、被写体がその名の通り粘土ですから、別に悩むことはない。もう一つ、人形を用いたストップモーションの作成について、鉛線を使った方法が紹介されている。鉛線同士をハンダで接着し、ミラーマット(発泡スチロールみたいな薄い梱包財)を被せる。その腕に着色したラテックスを塗って…。はあ…。
クレイアニメは放っておくとしても、自作でのボールジョイント作成はあまりに工数がかかりすぎる。現実的なのは一番最後のヤツだが、コレもコレで工数はかかるし、鉛はメチャ高いしで、困ったものである。その上、鉛線を安価なアルミ線に置き換えようとしたらアルミのやろうハンダをはじきやがる!そうこう試行錯誤しているうちに日はくれ、骨組みは出来なモノの、コレどうしよう…ってなった。しかもそれでいざ撮影を試みると、骨をアルミにしたせいで細かい動きが出来ない…。うーん…。
そんなこんなで、数ヶ月が過ぎたある日、今度の旅行で世話になる予定のドイツ人の友人が、某日本アニメが好きとのことで、んじゃ、なんかオタクっぽいお土産でも持ってってやるかとアキバへ行ってきた。ふと駅前のヨドバシへフラとよっておもちゃコーナーを眺めてみると、一寸目に留まったおもちゃが一つ…。一見レゴのようだが、こ、コイツは、ボールジョイントじゃあねえか!
PREGOODS ASOBLOCK工数がかかりすぎるという理由で、ベストと判りながらも諦めてたあの高級パーツが、高々1000円チョイで売っている。コレは気になる!と早速買って家で遊んでみた。コレは…、悪くない。パーツがデカく、コレに肉付けするとなると面倒な部分はある。しかし、この可動力、そして固定力、コイツは、完璧だ。12FPSぐらいならやろうと思えばできる。ってか、コイツ、ヘタなマネキンよりよっぽどよく動くぞ…。
ってなところですが、今後実際に動画を作るかは未定。被写体以外にもソフト・ハード(カメラ)の問題もあるし…。ソフト15000円か…。オートフォーカスのカメラだと明るさの自動調整が…、直接PCに画像送り込めると非常に楽なんだが等々。