DORという映画を観てインドに残る女性差別について考える

 DORというヒンディ映画を観てきた。友人の家族といってきたため、左右から解説が入り、非常に良く理解できた。多分英語字幕があるよりも。
 ストーリは二人の別々の村・町に住む女性、その夫が旅立ち、一方の夫が他方の夫を殺してしまうことから始まる。どのようにして、何故殺したのかは劇中あきらかにされないが、とにかく殺人の とが は死刑で償うというルール。これを免れるには夫の妻に直々署名をもらう必要がある。とのことで、死刑囚の妻がもう一方の妻を尋ねに行くという話。ただし、この殺された夫を持つ妻の住むのは北インド、今も昔ながらの非常に厳しい女性差別の残る場所…。と最後の部分は見終わってから知ったワケですが。
 さて、一寸その差別について触れてみよう。
 この映画にて、夫を殺された女性は真っ青なドレスを着込み、ムスリムでもないのに人前では(両親の前でも)青い布で顔を覆っている。オレはずっとただ喪に服しているから、だとばっかり思っていたのだが、聞いたところ、どうも違うらしい。古い風習では夫を失った妻は生涯このように青い服装のみを許され、髪は切られ、宝石を身に着けることも禁止、さらには色を見ることも禁じ(それ故青い布で顔を覆っている)、外出も禁止、祭りに加わることも禁じられ、他の夫を持つことも不可…等など、ほぼ一生を失うこととなる。更に一昔前になれば妻は夫の遺体と共に火あぶりにされていたという恐ろしいことまで。火あぶりは現在法律で禁じられているものの、前者それ以外については、いまも北インドでは続いている場所もあるらしい。ちなみに、妻が死んだとき夫は…というと、何とまあ、何もなしに加え別の妻を持つことすら許可されている。
 ここまでは夫が死んだケースにだけ触れたが、簡単にもう一つ触れておきたい話題がある。インドでは結婚のとき、女性側が男性側に多く金を出すという習慣があり、これは今もなをインド全域で(だと思う)続いている。それ故、女性の子供を多く持つのは資金面でも非常に不利であり、特に貧乏な家庭では女性の子供が生まれた際、すぐさまそれを井戸に入れて殺してしまうということがあるらしい。それは今も北で、特にこの映画の舞台となった町では続いているとのこと。何とも酷い話だ。
 以上全て受け売り。あと最後になったけど、この映画基本的に歌と踊りのシーンはありませんでした。ヒンディ映画としては短い合計2時間ちょい。いい映画でしたよ。 観るに当たっての前提知識は上に書いたとおりなので、無いと思うが機会があったらトライしてくれ。