地元を自転車で走っていたところ、ふと、見覚えの無い建物を見つけた

 地元を自転車で走っていたところ、ふと、見覚えの無い建物を見つけた。クリニックと看板にあるところから正体は明らかだが、其の外観は異様だ。建って間もないのもあるのだろうか。壁は純白とも言うべき白につつまれ、しかし一切の多色を拒むかのように、窓から覗く薄いオレンジの明かりを除けば、徹底した白一色である。対し、外周をかこむ2[m]〜3[m]の柵は黒く、また先端は槍のように形作られ、威圧的な雰囲気をかもし出している。
 看板を改めて眺めてみる所、三つほどのキーワードが目に入る。
「産」「婦」「思春期」
成る程、と、勝手な想像をめぐらせるが、もし想像が正しいのであれば、どういった思いでこの扉をくぐるのだろうと、複雑な心境に陥る。軽い怖れを感じる。